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「おいしいハートを大切に」

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センス・オブ・ワンダーを読みながら

  • 2022.08.25

 

2022年8月23日は二十四節気の「処暑(しょしょ)」

そっと足音を鳴らしてやっとこさの秋が訪れるこの時節。
早くこの猛暑日から抜け出したい今日この頃です。

「処暑」にあたる日はオンラインで秋田の食育コミュニケーターの皆さんと定例会議。
私が冒頭でこの話しをすると受講者はうんうんと深く頷いてくれる様子が画面越しに見えていました。”秋田の皆さんはひと足早く秋の訪れを感じているのだわ”
そう思った瞬間、画面越しにやっと距離を感じることができました。

パソコンを開けば一瞬に世界中とつながり、互いの顏を見ながら話しができる不思議さ。
会ったことがある人であれば、懐かしかったり、再会の喜びをかみしめることもできます。
なんて便利で有難い時代に生きているのかとしみじみとおもうことがあります。

でも、その一方で不便さのなかの豊かさや手をかけ、時間を育む尊さも忘れないでいたいと思うのです。
直接会って感じとる互いの息づかい。
雰囲気という、気を分かち合える場。
便利さのなかにも互いの違いや変化を感じ取りながら分かち合い、喜び合えることも大切にしたいものです。

世界中に衝撃を与えた『沈黙の春』の著者で海洋生物学者、レイチェル・カーソン氏の
『センス・オブ・ワンダー』を読み直しました。

余命限られたと知った後、生涯独身であった彼女が養子として育てていた亡き姉夫妻の息子に語りかけることばの数々に私が命の尊さと自然の神秘さを語りかけてもらっているような1冊。
こんなときだからこそもう一度、読み直してほしいカーソン氏のメッセージです。
便利さ、物質的な豊かさからは得ることのできない自然のなかの一部である自分の価値。
知れば知るほどこの神秘さのなかに生かされていることへの感謝を感じずにはいられなくなるのです。